給与明細で社会保険の「標準報酬」のお勉強~身近なもので勉強できるシリーズ第3弾〜

働いているときにみなさん必ずもらうであろう「給与明細」。

給与明細を見ていると、きっと誰もが思うであろうことがあります(私も思いました)。それは…

「社会保険料、高くない!?」

そう、高いんです。所得税含めるとお給料の2割ほどは平気で引かれていますよね。

一時期、どうしてこんなに健康保険料や厚生年金保険料が差し引かれているのかがわからず、腹立たしい気持ちになったことがありました。

ですが、どのように金額が決まっているのかがわかると、不思議とこの腹立たしさは消えていきました(笑)ちゃんと根拠があるのですね!(そりゃそうか。)

…ということで、今日は実際の給与明細を使って健康保険や厚生年金の「標準報酬」のお勉強をしていきましょう!

とっても簡単な例で見てみましょう!

健康保険料と厚生年金保険料の決め方

★従業員情報(入社時の条件)★

お名前:従業員さん(正社員)

業種:IT通信業

入社日:2021/7/1

年齢:25歳

給与の内容:基本給20万円、通勤手当10,000円(1か月の定期券代)

加入健康保険:協会けんぽ 東京支部

令和3年7月分(8月支給分)の給与計算をします。

まず、健康保険や厚生年金の金額ですが、入社のときに【資格取得届】の手続きをして決まります。

この従業員さんは、上記のような条件で正社員として働いています。

【標準報酬月額】はいくらでしょうか?

固定給で支給される基本給+通勤手当=21万円で標準報酬月額が決まります。

実務的なことをお話すると、入社手続きのときに、【標準報酬月額の決定通知書】が年金機構から届いているはずなので、そこに等級が書かれていますよ。

ただ、人事労務担当じゃないとその通知書を見ることはないと思うので、ご自身の雇用契約書などを見て「標準報酬月額このくらいかな?」と考えられると良いですね!

早速保険料の金額を見てみましょう!

加入している健康保険のホームページを検索してみます。

この例だと、【協会けんぽ 東京支部】ですね!【協会けんぽ 東京 保険料】で調べると、こんな表が出てきます。

※全国健康保険協会ホームページより

じゃじゃーん!※選択する年度を間違えないようにしましょうね!

ここで、保険料がいくらなのかがわかります。

まず、21万円は、どの等級を見れば良いでしょうか?

ここですね、18(15)等級の行を見れば良いですね!※()は、厚生年金の等級です。

【210,000〜230,000円】の間はこの行を見ましょうという意味になります!

さて、等級がわかったら、横に見ていきましょう。健康保険の金額が書いてあります。どうやら、2つ数字があるみたいだぞ…?

この従業員さんは、25歳です。

ということは、介護保険はまだ関係ない年齢なので、左の欄を見るんですね〜!

そして、【全額】と【折半】があります。

折半の金額が、被保険者(=従業員さん)の給与から天引する健康保険料なんですね〜!

…となると、お給料から引かれる健康保険料はいくらかというと

10,824円ですね!

同じように、厚生年金も見てみます。厚生年金の、【折半】の金額を見てみます。

ありました。この金額です。

標準報酬月額を使った保険料の計算のしかた、わかりましたか??

雇用保険料を計算してみよう!

雇用保険料は、健康保険や厚生年金と比べたら安いなぁと思うかもしれません。

まず、雇用保険の料金を計算するには、「業種」が何なのかを見ないといけませんね。

建設業や製造業以外でしたら、「一般」の料率(3/1000)です。

料率は、「雇用保険 令和●年度 料率」で調べると出てきます。

料金は、【総支給額(賃金に該当するものの合計)】×3/1000です。

上記の例だと、基本給+通勤手当の21万円に3/1000をかける感じですね!

計算すると、630円となります。これが給与から天引きされる雇用保険料です。

給与明細には受験勉強のヒントが沢山!

今回はとってもシンプルな内容で保険料の仕組みを見てみました。

ですが、実際に給与明細を見てみると、色んな受験勉強のネタが転がっています。

例えば、「残業代」の計算。就業規則と照らし合わせて是非計算してみてください。

割増分はいくらでしょうか?料率は守られているでしょうか?

また、出勤簿の集計を自分で行ってみるのも良いですね!

いつが法定休日で、いつが残業で割増分なのか…実際に見てみると、労働基準法の理解が深まります。

そして、給与明細の【控除】のところに、何やら財形貯蓄や積立金みたいなものが引かれているなんてこともあるのではないでしょうか。

その時は、【協定書】が必要だったりしますよね。

それぞれ労基に提出が必要なものは何なのかといったことも考えないといけませんよね。

給与明細は、実は労働基準法や雇用保険、健康保険、厚生年金の勉強にもってこいな身近な資料なんですよ!

日常生活の中でも社労士受験勉強のネタはごろごろ転がっています。

また、随時紹介していきますね!

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